本金の人

日本一ちいさいかもしれない

本金は家族5人を中心にやっている田舎の小さな造り酒屋です。沢山の人に助けられて、これまで日本酒づくりを行ってきました。沢山の量は造れませんが、飲んでくれた方、縁をもらった方を笑顔にできるひと手間をかけた本金を造り続けてまいりました。これからも笑顔にできるよう精一杯、日本酒を造り続けていきます。このページでは社内外問わず、本金に関わる人々の声を少しづつ掲載していきます。

本金9代目蔵元 宮坂恒太郎

本金9代目蔵元 宮坂恒太郎 写真

それまでいた東京から諏訪に帰ってきた頃、本金の酒は売れ行きもよくなく、タンク3本分しか仕込みをしてないような悲惨な状況で。このままでは良くないと思いながらも、どこから手を付けたらいいかわからず、まずはひたすら酒屋さんを回ったり、市や商工会議所のいろいろな集まりに行ってあいさつをするところから始めました。とにかくまず先に「本金」の名前を知ってもらったり思い出してもらうためです。

と言うのも、本金の酒の味自体にはオヤジさん(北原太一杜氏)がいたので問題無いと感じていました。むしろ本金の味は間違いない、自信を持ってお客さんに飲んでもらえるという気持ちがあって。ではなにが問題なのか。「売り方」を変えて行かなければいけない。昔の売り方からの脱却ですね。

私が思い描く本金の味のコンセプトは「すっと飲みやすい」「程よく味と香りが膨らむ」「主張しすぎない」という3つが挙げられます。特に3つ目の「主張はしない」についてですが、本金の日本酒はあくまで食事や人と人のコミュニケーションのための酒であるべきだと思って作っています。そのために、ある意味お酒としてはより地味であることを目指しています。

今の時代に沿った「届け方・売り方」の試行錯誤と「本金の味」の追求を続けていく中で、僕が一番大切にしたいことは、とにかく「幸福」であるということ。人を幸せにする。本金はそのためのお酒を作ります。幸せにする相手はもちろんお客さん、つまりお酒を飲む人ではあるのですが、この小さい酒蔵に関わる社員や酒販店の方、ファンの皆さんもみんなひっくるめて「本金で幸せにする」ということが今の一番の目標です。

一日の終わりに家族や友人と「じゃあ本金飲むかぁ」って、あたたかさと幸せの源にうちのお酒があれば最高だと思っています。

本金9代目蔵元嫁 宮坂ちとせ

本金9代目蔵元 宮坂ちとせ 写真

平成20年にここに嫁いできました。本金に入ってからというもの、徐々に考え方や生活の中心にお酒があるようになってきて。あ、別にいつも飲んでるとかそういうことじゃなくて(笑)、なにをするにしても、「どうやったら本金のお酒を飲んでもらえるかな」とか、「イベントでどうアピールできるか」っていうところで。少しづつですが、本金のお酒を担っている責任を意識するようになって来ました。

私がお酒を飲むときは毎日のちょっとご苦労さん的な自分へのごほうびやなぐさめなど気分が少し変わるいい時間をくれるときです。そしてそんな想いを乗せて人に贈ったりします。決してただ酔うだけの、質の悪いお酒ではないです。

また日本酒は地酒と言うだけあり、その場所を思い出しながら飲める楽しみもあります。家だったら、長野県のお酒で霧が峰の伏流水で、御柱の時期には沢山飲んで、、など、山があって諏訪湖があって、そんな事を思いながら飲むのは楽しいです。ついでにおつまみは、なんて考えるのも大切に残したい日本の食文化に欠かせない一つのアイテム「日本酒」を大事に伝え、残していけたらな~っとおもいます。

日々言うことは変わるわるかもしれないけれど、私はこの小さな酒蔵の「アットホーム」だったり「田舎臭い」感じがここでしかできない「等身大のお酒」を生み出す大切な部分だと思っています。「あぁ、あの人達が作っているんだ」っていう、あたたかみのある、こころの通った感じ。これからもそういうお酒でありたいと思っています。「楽しく飲めるお酒」としてお届けしたいなと思います。お酒だけでなく本金の母ちゃんは化粧もせずすっぴんでとか父ちゃんは素朴な感じとかそんなところまで思い出せるような身近に手の届くお酒「本金だとちょっと前向きになれる」っていう、そういうお酒を目指したいです。

横川商店 山口倫子

横川商店 山口倫子 写真

長野県大町で横川商店という酒屋をやっています。2007年にはじめて諏訪の呑み歩きに参加したんですが、その時が本金との初めての出会いでした。その頃まだ大町では本金のお酒は知られていなくて、「どこの酒?諏訪?」っていうような程度の認知度だったんです。でも、店に置かせてもらっているうちに、それこそびっくりするくらい本金のお酒のリピーターが増えてきて、今ではもう「太一」あたりはしっかりと大町のお客さんには定着しています。

すっかり本金ファンになったお客さんにはこの本金がどんな蔵で、どんな人が作っているのかっていうのを伝えるようにしています。例えば「ここではお嫁さんが子どもを背負って仕事をしているんだよ!!」とか、「このあいだ社長さん自身が米洗いしているとこを見たよ!!」とか(笑)。酒屋としては味や値段と以外にも、せっかくだからこういった「中身」のことを伝えていきたい。お客さんもそれを聞いてよりお酒を楽しめる。そして本金にはその中身がとってもあたたかい形でつまっているんです。

私個人としても本金のお酒や、酒蔵としての本金が大好きで、蔵と酒販店っていう関係を超えて応援しています。もっともっと多くの人に本金を知ってもらうために、販売店として、いちファンとして、ずっと伝えていきたいですね。